こんにちは。
突然ですが、皆さん読書好きですか?
Shiaさんが読書について言い得て妙なことをツイートしていました。
本整理してたけどコモディティ人材が持ってそうな本しかなくて泣きそうになってる pic.twitter.com/kHtxhrkA5y
— Shia (@Shia_8413) August 29, 2020
名著とされる本がたくさん並んでおります。それをバサッと「コモディティ人材」と切り捨てる所が実に爽快です。
このツイートを見て「戦略コンサルティングファーム内定者に推薦する必読書リスト」みたいな記事がつまらない(にも関わらずみんなが書きたがる)理由がなんとなくわかりました。
なぜおすすめ本リストが面白くないのか、考えてみたいと思います。
この本棚が悪いわけじゃない
この本棚には名著と言われる本が多く並んでおります。
当サイトでもオススメしている本を探してみるとこんなにも被っていました。
- 企業参謀
- イシューからはじめよ
- 考える技術・書く技術
- 人を動かす
- 道具としてのファイナンス
- 起業のエクイティファイナンス
激務の心得では紹介していないけど『影響力の武器』、『イノベーションのジレンマ』、『7つの習慣』あたりは誰しもがタイトルを聞いたことがあるし、手にとったことがある名著ですよね。私も実際に持っていますし、読みました。
こんな名著達を並べて、「コモディティ人材が持っていそうな本」と表現する言語化センスとそれに対する共感がなぜなのかを考えてみましょう。
考えるベースとしての名著は大事だけど、どこかで卒業するタイミングがある
最低限考えるためのツールとしての座学は必要です。基礎がないと話になりません。
名著と言われる本はそういったベースに入ってくる根幹のパーツになります。
また、その手の仕事をしていく上での共通言語として持っていたほうが何かと便利な部分もあります。例えば、企業参謀の床屋の話なんてプロフェッショナルであれば「ああ、のちのQBハウスの話ね」と全員が知っている共通言語です。
しかし、著名な本をある程度共通言語として獲得出来た頃には、最低限の考えるためのツールも揃って来た頃であり、そろそろ実戦で知識を活かすタイミングです。
名著を読み漁って「いろんな知識がある人」になるのではなく、「名著を通じて得た知識を実戦で使い倒す人」として活躍する道を意識してください。
アカデミックエリートとストリートスマート
アカデミックエリートとストリートスマートという単語をご存知でしょうか?
IBD・戦コンで求められる「ストリートスマート」は「頭のいい悪ガキ」と考えると分かりやすいと思う。アカデミックエリートが弱いのはここなのではないだろうか。
私の同期も学業的な実積が多かった人は入社後苦労しており、野良犬スキルが高かった人のほうが出世していた。— 四代目シャイニング丸の内 (@shimaru365) March 27, 2019
ここで言うアカデミックエリートとは、コモディティ人材と非常に近い意味と解釈出来るのではないでしょうか。
要は、学校の勉強は得意だけど、実戦形式は苦手な人。
大学を卒業した時点でアカデミックな世界は終わりなのですが、社会人をその延長戦と考えて知識偏向型で突き進むとコモディティ人材になってしまいます。
物理で言う理想空間、格闘技で言う道場内の型稽古。
それは大事だけど、そこに終わりはないし、その場所での成長曲線も鈍ります。
アカデミックエリートなだけでは社会人として通用しないことはご理解頂ける方も多いと思いますが、実際にはアカデミックエリートとしての成功体験が足枷になって行動が切り換えられずに、更に知識偏向型の罠に陥る方が多くいらっしゃいます。
そんなときこそ、思い切って名著を捨てて、実戦の旅に出ましょう。
コモディティ人材にならない為の読書
それでも読書が好きという皆様のためにも、コモディティ人材にならないための読書術を紹介させて頂きます。
ズバリ、漫画や小説といったコンテンツ(広義の文学?)にふれることです。
「ふれる」といってもただ読んで「面白かった」と言って満足する読み方では意味がありません。
それではコモディティ人材のままでしょう。
大事なことは、その漫画や小説といったコンテンツ(広義の文学!)を起点にいかに自分で頭を使って思考するかです。
例えば、コモディティ人材がワンピースを読んだらこんな感想を持つに違いありません。
ワンピース面白かった。
俺も麦わらの一味に俺も入りたいなぁ。
次は最近話題の鬼滅の刃でも読むか。
逆にコモディティ人材にならない人は、こんな風に思考をするのではないでしょうか。
ワンピースは毎回ルフィが正義で、相手が悪で描くなぁ。
相手にも相手の正義や主張があっただろう。ワンピースは完全にルフィ視点だよなぁ。
鬼滅の刃は、炭治郎視点が基本だけど最後に鬼視点になって相手の事情も説明するから複数視点の漫画だ。
ん!?待てよ、そうなると単視点でも複数視点でもない漫画があってもいいはずだ。そう言えば昔読んだ『シグルイ』は全体を見渡した神の視点で描かれていたな。
コンサルワークでも全体を俯瞰してバリューチェーンとかで説明すること多いけど、あれって神の視点だよなぁ。つまりコンサルタントに必要なモノの見方は、『シグルイ』に学べばよかったのか!!
非コモディティ人材とは、読んだ内容に対してどのような解釈・視点で新しいことを考えることが出来るかではないでしょうか。
まずは、コンテンツ(広義の文学!)から自分なりの解釈をして何かを問いかけてみてください。その問いかける行為こそが、コモディティ人材から脱却することの第一歩です。
漫画や小説といったコンテンツは思考訓練としては最高の素材なので、ぜひ積極的にご活用ください。
参考:
↑神視点や封建制度と思想といった深いテーマの作品、超オススメ!
まとめ:本を読んでからがスタート
読書した後のツイートや感想で「こいつは雰囲気で読んだ気になっている」と思う人はこんな言葉を使う傾向があります。
- 面白かった
- 勉強になった
- 参考になった
- 興味深い
- 奥深い
- 闇が深い
「そんなに面白かったり、興味深いのあれば、その正体が何なのか思考停止にならずに言語化しろ!!」って思いませんか?
名著と言われる本を読んで「面白かった」「勉強になった」で終わるのではなく、そこからその知識をどう解釈して、応用させるかを常に意識して、コモディティ人材から脱却してください。
以上「知識偏向型コモディティ人材にならないための読書術」でした。
あわせて読んでほしい
『イシューからはじめよ』を『アオアシ』を活用して解説しています。名著を名著で紹介しておりますので、どちらかを読まれていない方は参考にしてみてください。
大学卒業後、ファンド・コンサルで10年以上働いて独立しました。今は、個人でコンサルやりながらニッチなメディアの運営を行っております。詳しいプロフィールはこちら。
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