若手のコンサルタントが必ずは上司や先輩に言われるであろうセリフに「で、So Whatは?」があります。
「この資料を見た人に、何を伝えて、何をさせたいの?」という魂が無いという事です。
これを言われてしまってはコンサルタントとしてはNo Valueです。
「で、So Whatは?」と言われない為のスライド作成術について考えましょう。
まずは何を言いたいのか考える
スライド作る時にどうしてますか?
とりあえずパワポ開いて考える??
ブー
一番やってはいけないことです。
最初にやることは、紙とペンを使って「何を伝えるか」を考えて、粗々のドラフトを手で書いてみることです。
この作業を十分やらないでPCを触るとたいていうまくいきません。
とにかくメッセージを先に考えましょう。
それさえ出来れば80%は終わったようなものです。
具体例で考えてみる
この手の話は具体例で考えたほうが分かりやすいので、事例を元に考えてみましょう。
あるサイトの事例
こちらのサイトを見てみましょう。
社会人の1年目の新入社員と2年目の各500人に対して、アンケートを取り、集計結果をまとめたようです。
これは何がいいたいのでしょうかね。
「アンケートをやりました。結果はこれです。」としか言ってませんよね??
これって読んでて面白いですか?
アンケート結果というファクトを述べられるだけでは、「ふーん」で終わってしまいます。
定年まで働きたい人が2年目になると半分になるとでも言いたいのでしょうか。
事実を述べられているだけで、示唆がないから面白みがありません。
こういう資料を作ると恐くて優秀と言われる先輩から「で、何なの??」と言われるでしょう。
外資系やコンサルファームであれば「で、So whatは何??バカなの?」と言われ、
投資銀行や投資ファンドであれば「で、これでどうやって儲けるの?」と言われます。
ポジションを明確にせずに、なんとなくフワッとしたことを伝える資料は見ても面白くありません。
例え間違っていたとしても、「俺はこう考えた」というのが見えていないと議論にすらならないのです。
俺ならこう考える
「お前だったらどうするんだ?」と言われちゃいそうなので、「こうしたらもっと面白いんじゃないか」という案を具体的に考えてみましょう。
私が着目した点は1年目と2年目のギャップが多いところです。
具体的には、「既に辞めたい」と「定年まで働きたい」です。
1年目と2年目の意見が大きく異る部分に着目して、なんでそうなるのかを考えるとアンケートに対する考察が深まります。
2つのモノを比較する際は、どこにギャップがあるかを見るのが基本です。
具体的なスライドにするとこんな感じでしょうか。
どうですか??
1年間働くと会社のダメな部分も見えてきて、「コイツはクソ会社に入社したもんだぜ」とか「一生ここにいるなら死んだほうがマシww」とか「社畜はゴメンだ」とか思うのでしょう。
夢を抱いて入社した会社も2年目になると現実的になるということをなんじゃないでしょうか。
これを踏まえて、こんな仮説が考えられませんかね?
考えられる仮説:
- 「終身雇用制も入社数年後で10-15%程度の社員しか希望していないし、組合が騒いでるだけなんじゃないの?」
- 「実はクビ切られたほうが次のステップに進めるからよかったりしない??」
- 「まだ終身雇用とか言って消耗してるの??」
投資銀行であれば「最近の若者はリストラに抵抗がなくなってきているんで、リストラしたら利益が出そうな会社は狙い目ですよ」とか言ってくれると「では、リストラしたら利益が出そうな狙い目の会社は具体的にどこだ?」と言った感じで、次のステップに議論が進みそうです。
結論:メッセージの無い資料を作るのであれば、作らないほうがマシ
資料を作るにしても議論をするにしても同じなのですが、まずは自分の意見を持ちましょう。
「俺はこう考えたけどどう思う??」と常に問いかけましょう。
自分の仮説が間違っていても良いのです。
毒にも薬にもならない冴えない官僚的な資料を作るのであれば、炎上や軋轢を恐れずに議論を呼び起こすような資料を積極的に作りましょう。
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資料の作り方がわかったら次はスピードの追求です。同じ資料であればスピーディーに作れれば更に価値は高まります。1時間速く仕事を終わらせるためのテクニックを学んで仕事が速くて丁寧な人を目指しましょう。
大学卒業後、ファンド・コンサルで10年以上働いて独立しました。今は、個人でコンサルやりながらニッチなメディアの運営を行っております。詳しいプロフィールはこちら。
コメント
[…] 抽象的な思考を通じて引き出したメッセージを資料に落とし込む必要が出てきます。具現化する力もあわせて身につけましょう。 […]