こんにちは、taikiです。
前回の記事『「PEが教えてくれた企業変革のポイント」をドラゴンボールで変換する』を踏まえて、今回は、note「PEが教えてくれた企業変革のポイント」の著者でもあり、つい最近までPEファンドで働いていて今はベンチャー企業で財務責任者として新たなキャリアを歩み始めた山田さんにご登場頂きます。
まだ、ご覧になられていない方はそちらから見て頂けると嬉しいです。
「PEファンド×ドラゴンボール」「PEファンドに役立つ漫画」といった他のメディアでは絶対にやらないであろう変わった切口で山田さんに直接お話を聞いてみたいと思います。
お楽しみください!
山田さん基本情報
名前:山田聡(Yamada Satoshi)
所属:株式会社10X 財務責任者
SNS:Twitter、Facebook、note
経歴:
総合商社でロシア・カザフスタン向けの自動車販売事業・現地販売会社のM&A及びPMIを経験。
その後、米系PEファンドに転職し、複数の食品・飲料製造販売企業の投資・PMIを実行。
Wharton MBA(2017年)。
2020年3月より株式会社10Xに財務責任者として参画。
ドラゴンボールで読み解く「PEが教えてくれた企業変革のポイント」
本日は、山田さんをゲストに迎えて、いろいろお話を聞いてみようと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私の解釈は記事にさせて頂きましたが、私は山田さんのnoteを企業サイドと株主サイドの2つの視点に切り分けて考えてみました。
企業サイドに関しては「OSのアップデート」、株主サイドに関しては「時間軸や温度感のギャップ」、「事業計画の位置づけ」の話を主にしているのかなぁと思いました。
むしろ私のnoteよりも面白くなっちゃった(笑)
「あたまでぇーじょーぶか?」
と言われたらどうしようかと思ってました(笑)
OSアップデートがされない天津飯
↑過去に捕らわれてアップデート出来ない人
逆にクリリンは、最初から脇役でしたが周りの戦闘力のインフレに腐らずに自分のOSをアップデートし続けて最後まで脇役として存在感を発揮し続けていましたよね。
↓過去に捕らわれずにアップデートした人
グローバル化やデジタル化で世の中変わっていく中で、過去にとらわれず変えていくのは大事な要素です。
PEファンドはそこに入っていって天津飯マインドの人を強制的にクリリンマインドにするイメージですね。
スゴイ表現ww
異質の人造人間18号と付き合おう
noteで仰られていた企業カルチャーの修復ですが、PEファンドとして具体的にどんなレベル感で関与されたのでしょうか。
トップダウンは経営陣から、ボトムアップとはいろんな部署の若い社員、アウトサイドインは社外のステークホルダーです。
横って珍しいですね。
一方で下からは新しい企業カルチャーを考える会議体を作って、いろんな部署の若手に入ってもらいボトムアップでも社内に刺激が伝わるようにしました。
「この会社にどうあってもらいたいですか?」「この会社が地域にもたらすべき価値ってなんですか?」
といった視点でヒアリングをして、社内にフィードバックをしました。内部だけでなく、外部からの意見も社内に届くと「変わらなきゃ」という意識は醸成されます。
これをドラゴンボールで例えると、、、、
山田さんが私みたいになってきた。。。
どういうことですか?
敵だった外部の異質な人を取り込んでいくことはOSのアップデートに繋がりますし、その部分を内製化するにも限界があります。
↑外部の異質な人
あと、OSのアップデートにおいてPEファンドの重要な役割の1つに潤滑油としての存在がありました。
同じ会社なのに連絡する際に「○○部○○様」みたいな(笑)
そこに利害関係のあまりない第三者が入っていって、うまく間を取り持っているとそのうち勝手にコミュニケーションをするようになるんですよね。
そうやって組織が回り始めたら、あとは任せてPEファンドは引いていった方がいいですね。
最初の潤滑油は大事ですね。
OSのアップデートはEBITDA成長につながるのか
そうなってくると次に気になってくるのがOSのアップデートがEBITDA成長にどうつながるかです。
その部分についてはどのように考えていたのでしょうか?
EBITDA(イービットディーエー)とは
Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略。
営業利益に減価償却費を足し戻した値であり、本業で稼ぎ出すキャッシュを1秒で見抜くための指標
出所:激務の心得作成
古いOSのままだと年間に2-3個の施策しか出来なかったけど、最新OSだと10個ぐらいの施策を安定した状態で動かせる。
しかも自分たちで施策を考え出して、自律的に動き出す機能までつくから最新OSの方が快適だよねといったイメージでしょうか。
OS自体は利益を生まないのですが、得られる効果は大きいので仕事を始める前に1時間掛けてでもOSのアップデートしておこうよみたいな。
例えがドラゴンボールじゃなくてスミマセン(笑)
ですから、OSのアップデートは結果的にEBITDA成長にもつながると考えていました。
そういった方々の対応はどうされていたのでしょうか。
1つ目が組織の本質的な課題をあぶり出すこと、
2つ目が組織にいる潜在的にクリリンマインドを持った人を見つけることでした。
そして、天津飯にはクリリンになって頂く(笑)
超サイヤ人状態では一般人はドン引きする
これに関してはいかがですか?
DD後でギンギンの超サイヤ人が通常状態の一般人と遭遇しても噛み合うはずがない(笑)
まずは、超サイヤ人の黄色い炎を消して温度感を揃えて、相手に寄り添って何を考えているのかじっくりと話に耳を傾けるといったところからやらないと警戒されて何も進みません。
↑こんな状態じゃ温度感が合わない
超サイヤ人状態になるのはいいけど、せめて相手に悟られないぐらいには抑えた方が結果的に物事はうまく進んでいきます。
事業計画と天津飯
これはドラゴンボールでいうと亀仙人が「ピッコロ大魔王は倒すのではなく、封じ込める」というストーリーを共有したシーンが近いのかなぁなんて思いました。
そのストーリーに従って魔封波の練習したけど、直前で想定外の自体が起こっちゃったからその場の思いつきで天津飯が違うことやりはじめるみたいな。
↑想定外のことが起こりました
事業計画は、数値よりも数値の裏にあるストーリーが大事で、数値が達成出来ていないからといって行動を変えて、ストーリーを崩しちゃうのは違うんですよ。
まさに天津飯が魔封波でピッコロを封じ込めに行ったけど、封印用の炊飯ジャーが壊れているのをみつけて、行動を変えちゃった。
ストーリーが崩れましたね。
↑ストーリーを崩した瞬間
って、天津飯の話じゃなかった。事業計画の話でしたね(笑)
そこで「数値足りてねぇじゃねぇか」と言って、正しいことをやっているのに違う方向に行くのは意味がない。
だからそこはストーリーで共有して、ストーリーをみんなで追い求めることが重要なのです。
絶妙な例えでした(笑)。
ドラゴンボールの例えは正しかったのか
EBITDA7倍界王拳
まずは、EBITDA7倍界王拳から行きますか。
EBITDA7倍界王拳とは
PEファンドが企業を買収する際に対象企業のEBITDAの7倍の金額で会社を買うこと。当然倍率が増えと対象企業がついていけずしっぺ返しをくらうことになる。
出所:激務の心得作成
ダウンサイドリスクをしっかりと見極めて、身体が壊れない範囲でやらないと危険です。
ただ、PEファンドとして戦う(≒出資者にリターンを返す)には界王拳は必要。
だからこそムチャな界王拳で入札に勝つのではなく、ムチャな界王拳を使わない戦い(≒入札にしない)にすることが大事ですよね。
↓ムチャな界王拳はおやめください
ロールアップ超神水
ロールアップ:
同業種の会社を買収することで、市場シェアを拡大させる戦略。
かつてアコーディア・ゴルフがゴルフ場を多数買収したことで有名。
実際は、ロールアップした後のPMIをどうやるかといった悩みもありますので、超神水というよりもフュージョンが近い気がしますね。
PMI:Post Merger Integration
M&A(企業の合併・買収)成立後の統合プロセス
記事ではPMIの部分への言及が抜け落ちていましたね。
↑フュージョンは失敗することもある
ロールアップした後にその企業とどういうシナジーが具体的にあるか、事業や組織・経営陣の相性はどうか、といったところを事前に精査することが大事です。
フリーザマルチプル/フリーザIR
マルチプル:
ここでは企業価値(EV)に対してEBITDAの何倍あるか(=EV/EBITDA)を想定。
詳しくはこちらの記事で復習してください。
「俺はこうなる、こんなに強い!」という想いに対して、
「確かにそれぐらいならいけそうだ」とか「いや、そんなに強くないでしょ!」みたいな評価ですから(笑)
そう考えるとフリーザは戦闘力53万は自己申告だし、IRが上手だったんだなぁと思います。
そもそもtaikiさんはドラゴンボールを読んでフリーザは自己申告だから怪しいなんてよく気づきましたよね(笑)
↑IRの一環です
漫画も本気で読むとこんな示唆も導き出せて勉強になるよってことでしょうか。
話が脱線してきたので次!
PEファンドは悟空ではなく界王様
PEファンドに悟空・ベジータ的な現場感を期待する人もいらっしゃると思いますので、、、
現場で戦う悟空やベジータを一歩引いたところからサポートする界王様の距離感です。
ただ、本当に追い込まれると自分も現場で戦わなければならないところもそれっぽいなぁと思います。
ドラゴンボールで言えば、界王神が自ら現場におりてきて魔人ブウと戦うみたいなことが起きちゃう。
まれに非常に重要な局面で、PEファンドのパートナーが現場におりてきて自ら戦う(交渉する)ことも実際にありますからね(笑)
↑現場におりてきたPEファンドのパートナー
この例えは秀逸だ!!
後編に続く。
まとめ:PEファンドはドラゴンボールで例えるとしっくり来る
いかがでしたでしょうか。
私のドラゴンボールによる説明も結構核心をついていたようです。
PEファンドに興味を持たれた方は、これを気に過去記事も読んでみてキャッチアップしてみてください。
後編では、PEファンドに興味がある人に向けてPEファンドの内情に迫りつつ、PEファンドで働くうえで必要な能力だったり、役に立つ漫画といった切口でお話を聞いてみたいと思います。
以上、「PEが教えてくれた企業変革のポイント」の山田聡さんに聞いてみた 【本人解説:前編】でした。
後編もぜってぇみてくれよな!
大学卒業後、ファンド・コンサルで10年以上働いて独立しました。今は、個人でコンサルやりながらニッチなメディアの運営を行っております。詳しいプロフィールはこちら。
コメント
[…] 次回もぜってぇみてくれよな! […]
[…] 前回に引き続き、PEファンド出身の山田聡さんインタビュー後編をお届け致します。 […]