こんにちは。
若手のコンサルタントの方で、上司から求められているレベルと自分が出来ることのギャップになんとなく不安を感じて悩んでいる人いませんか?
相手が上司であってもクライアントであっても、大きくハズしてしまうのは避けたいですよね。
今回は「上司からの依頼に対して作業をしてアウトプットをすること」に対する期待値コントロールについて考えてみましょう。
今回紹介する話は、私がコンサル時代に先輩から直接教えてもらって「なるほど」と思った考え方でもあり、失敗することが恐くてアウトプットするのをためらってしまう後輩達にも実際に伝えて来ました。
これを読めば期待値コントロールが出来るようになり、必要以上にミスに怯えることもなくなるでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。
期待値とは時間と共に勝手にあがってしまうもの
↓こんな感じで上司にあるタスクを振られることがあると思います。
さっき議論した仮説の部分を次のミーティングでクライアントと議論したいから論点まとめてスライドに落としておいてくれない?
上司にはアウトプットの明確なイメージがあり、あなたにも十分伝わっていると認識しています。
しかし、上司が持っているイメージと自分が持っているイメージは異なりますし、成果物として出来上がるまでの投下時間の見積もりも異なるでしょう。
そんなことは上司も十分わかっているのですが、不思議なもので人の期待値は労働の投下時間に比例する形で増加してしまいます。
その一方で、実際の成果物の品質は、ある程度でサチってしまいます。
サチる
もうこれ以上は伸びない飽和状態に達すること。saturation
例文:Cell Phone Market Reaches Saturation(携帯電話市場は飽和状態に達した)
イメージ図にしてみるとこんな感じでしょう。
図の2つのグラフの状態で時間が経過してしまうと期待値と品質のギャップが大きくなって期待値コントロール的には残念な結果になります。
もちろん1回で相手の期待値を超えるようなアウトプットが出来るに越したことはありませんが、それが出来るようになるには訓練が必要です。
どんなに地頭が良くて優秀であっても経験を積まないと出来るようにはなりません。
この前提を頭に叩き込んだ上で、品質と期待値のバランス(≒期待値コントロール)について考えてみましょう。
アウトプットをする適切なタイミング
品質は投下時間と共にサチってくると説明しました。
しかし、逆に言えば、サチる前の大きく進化する段階があります。
そのサチる前段階で一度上司にチラッと見てもらいましょう。
途中まで作ってみたのですが、イメージがずれていると恐いので、方向性があっているかだけで構いませんので確認頂けませんか?
おお、早いねー
見せて。
こんな風に相談するとサクッと見てくれて、簡単に議論もしてくれるでしょう。
このプロセスを早い段階で踏んでおくと期待値が低い分、品質が期待値を上回ります。
仮に大きくハズしたとしても自分へのダメージ(手戻りによる投下時間の浪費+自分がゴミみたいなアウトプットをしたことに対する評価)も少ないでしょう。
そして、チェックしてもらい、議論すればそこから品質曲線はリセットされて、再び品質向上軌道に乗ることが出来ます。
これを数回繰り返すことによって、相手の期待値を超えるような品質を満たすことが出来ます。
ギリギリまで粘って考えることに意味があるのか
一方で、「最後の最後まで粘ってしつこく考えろ!」的なことは誰しもが聞いたことはあるでしょう。
仰る通りなのですが、粘って考えることがポジティブに作用する場合もあればネガティブに作用する場合もあります。
そのケースについて図解しました。
期待値を上回っている状態では、粘ってしつこく考え抜くと神は細部に宿る状態になります。
神は細部に宿る/God is in the details.
諺・格言の一つ。 本当に素晴らしい技術やこだわりは目に見えにくいことの例え。
出所:ピクシブ百科事典
しかし、期待値から遠く離れた状態でどんなに頑張っても、サチった終わりなき道がひたすら続き、やがて詰んでしまいます。
一人で抱え込んじゃうタイプの人はこの罠に陥ってしまうことがよくあります。
最後の最後まで粘って考えたつもりにならないように期待値に対してどれぐらいのところにいるかを常に意識してみてください。
若い時(≒期待値が低い時)に恥をかいておけ
「若いうちに恥をかいておかないと年齢を重ねるごとに失敗して恥をかくことが難しくなる」みたいな話を聞いたことがあるでしょう。
期待値コントロールも同じで、大きくハズして失敗するのは若いうち(≒期待値が低いうち)は大丈夫ですが、歳を重ねてから(≒時間が経過してから)だとダメージが大きくなります。
人生における教訓は、プロジェクト単位の超短期的なタスク処理でも共通するようです。
「ハデに修正されたらやだなぁ」といったちっぽけなプライドは捨てて、期待値があがる前に積極的に上司や先輩に見てもらって、積極的に恥をかいてください。
どんなに頑張っても資料は炎上するのですから、せめて手戻りの時間だけでも節約しましょう。
時間さえあれば、どんなミスだって挽回出来ますよ。
まとめ:まずは上司の期待値コントロールからやってみよう
期待値コントロールは、仕事をしている限りにおいては一生つきまといます。
アソシエイトから出世してマネージャーになれば、クライアントの期待値コントロールが求められますし、あなたが将来選挙に出馬して政治家にでもなろうものなら、日本国民の期待値コントロールが求められます。
また、プライベートでは恋人や家族の期待値コントロールも出来ないと喧嘩が絶えず、ストレスフルな日々を過ごすことになるでしょう。
まずは1対1のシンプルな構造である上司の期待値コントロールからチャレンジしてみてください。
複数人に対する期待値コントロールだったり、複雑系である女性の恋心の期待値コントロールはその先にあります。
自分本位にならずに、相手の期待値を意識した行動を心掛けましょう。
以上「若手コンサルタントに知っておいてほしい上司の期待値コントロール」でした。
あわせて読んでほしい
期待値コントロールが理解できたら、仕事で役に立つコミュニケーションのルールも抑えておきましょう。
大学卒業後、ファンド・コンサルで10年以上働いて独立しました。今は、個人でコンサルやりながらニッチなメディアの運営を行っております。詳しいプロフィールはこちら。
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